カウンセリングする女性医師

「自分にはまだ関係ないと思っていた」
実際に子宮頚ガンの診断を受けた方がよく口にする言葉です。
子宮頚ガンは、初期にはほとんど自覚症状がなく、気づかないうちに進行してしまうことがある女性特有のがんです。しかし、その多くは早期に発見すれば治療が可能であり、深刻な事態を防ぐことができます。だからこそ大切なのが、定期的な子宮頚ガン検診を受けること。そして、その「適切なタイミング」を知っておくことです。
今回は、年齢別におすすめの受診タイミングや、検診の必要性についてわかりやすくお伝えします。


子宮頚ガンとは?静かに進行する女性のリスク

子宮頚ガンは、子宮の入り口部分(子宮頚部)に発生するがんです。その多くは、ウイルスの感染がきっかけとなって起こりますが、感染したからといって必ず発症するわけではありません。ただし、一度感染したウイルスが体内に長くとどまり続けた場合、数年〜十数年の時間をかけてがんへと進行する可能性があります。
このようにゆっくりと進行する性質を持つため、定期的に検診を受けてさえいれば、前がん状態(がんになる前の段階)での発見が可能です。その段階であれば、子宮を残した治療ができる可能性も高まり、将来の妊娠や出産への影響も最小限に抑えることができます。

20代は検診スタートの大切な時期

子宮頚ガン検診は、基本的に20歳以上の女性が対象となっています。20代前半では、仕事を始めたばかりだったり、体の不調を感じることも少なく「まだ大丈夫」と思いがちですが、この年代こそ、検診を習慣にしておくべき重要な時期です。
特に性交経験がある場合は、見た目には何も変化がなくても、子宮頚部に病変が起こっていることがあります。異常がなくても安心するために、まずは一度検診を受けてみることが、将来の自分の安心につながります。

30代・40代は要注意世代。今こそ検診の習慣を

30代に入ると、仕事・家庭・育児と、忙しさのピークを迎える方も多く、自分のことが後回しになりがちな時期でもあります。しかし、実際にはこの年代から子宮頚ガンの罹患率が急上昇する傾向にあり、「異常なし」がずっと続くとは限らないという現実を知っておくことが大切です。
40代になると、ホルモンバランスの変化も重なり、子宮の健康状態に影響が出やすくなります。初期の段階ではまったく症状が出ないため、気づいたときには進行していたというケースも。2年に一度の検診が、「もしも」のリスクを早期に発見する大切な手段となります。

 50代・60代以降も検診は続けるべき?

「もう閉経したし、婦人科検診は必要ないのでは?」と思う方も少なくありません。しかし、実は50代・60代でも子宮頚ガンにかかる可能性はあります。しかもこの世代になると、若い頃に比べて受診の頻度が下がってしまい、見逃されやすい傾向にあるのです。
また、年齢とともに免疫力が低下することで、過去に抑えられていたウイルスが活動を再開するケースも報告されています。長い時間を経て進行する病気だからこそ、年齢を重ねてもなお定期的な検診は必要です。
とくに、これまで一度も検診を受けたことがないという方は、ぜひ今のタイミングで一度ご自身の体と向き合ってみてください。何歳からでも「はじめての検診」は遅くありません。

妊娠・出産の前後も大切な検診タイミング

妊娠を希望している方、あるいは妊娠中・出産後の女性にとっても、子宮頚ガン検診はとても重要です。多くの産婦人科では妊婦健診の一環として検診を行っており、妊娠初期に診断を受けることが一般的です。
妊娠中は定期的に病院に通う機会があるため、むしろ検診を受けるには最適なタイミングとも言えます。出産後も、育児に追われる日々のなかでつい忘れがちになりますが、体調が落ち着いた時期に検診を受けることで、今後の健康管理がしやすくなります。
「母である自分が元気でいること」それ自体が、家族にとって何よりの安心となります。

「時間がない」「不安」が受診を遠ざけているなら

検診を受けない理由の中で最も多いのが、「忙しくて時間がとれない」「痛いのではないかと不安」などの心理的なハードルです。ですが、実際の検査は短時間で終わり、苦痛もほとんどありません。数分で済む検査が、数年先の命を守ることもある――そう考えると、決して無駄な時間ではないはずです。
みすずレディースクリニックでは、はじめての方や不安を感じている方にも寄り添った丁寧な対応を行っております。プライバシーに配慮した環境と、リラックスできる雰囲気づくりを大切にしながら、一人ひとりの体と心にやさしい医療を提供しています。

最後に、、、あなたの「今」が、未来の自分を守る

若い女性、安心

子宮頚ガン検診は、誰にとっても身近で大切な予防医療です。年齢やライフステージにかかわらず、自分自身の健康に目を向けること。それは「何かがあってから」ではなく、「何もない今」だからこそ意味のある行動なのです。
自分の未来のために、大切な人のために、今こそ一歩を踏み出しませんか?
みすずレディースクリニックでは、すべての年代の女性が安心して検診を受けられる環境を整え、心から皆さまをお待ちしています。