※子宮頸がんの検診情報はこちらから⇒各種検診(子宮頸がん)について

子宮頸がんとは

子宮頸がんの定義と概要

子宮頸がんのイメージ

子宮頸がんとは、子宮の入り口部分である「子宮頸部」に発生するがんのことを指します。女性特有のがんの中でも比較的多く、日本では年間約1万人の女性が診断され、そのうち約3,000人が亡くなっています。
子宮頸がんは初期の段階ではほとんど症状がなく、気づかないうちに進行することがあるため、定期的な検診が非常に重要です。早期に発見すれば治療が可能であり、完治する可能性が高い病気です。

子宮頸がんと子宮体がんの違い

子宮に発生するがんには、「子宮頸がん」と「子宮体がん」の2種類があります。

  • 子宮頸がん:子宮の入り口(子宮頸部)に発生するがん。若い世代にも発症する可能性がある。
  • 子宮体がん:子宮の奥にある「子宮内膜」に発生するがん。閉経後の女性に多くみられる。

原因や症状、治療法が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。

子宮頸がんの主な原因

ヒトパピローマウイルス(HPV)感染の役割

子宮頸がんの最大の原因は、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染です。HPVは非常に一般的なウイルスで、性交渉を経験したことのある人の約80%が一度は接触すると言われています。
HPVには100種類以上の型があり、そのうち約15種類が「高リスク型HPV」として子宮頸がんの発症に関係しています。特に、HPV16型と18型が子宮頸がんの原因となることが多いとされています。

HPVの感染経路とリスク要因

HPVは主に性行為を通じて接触します。接触してもほとんどの場合は体の免疫機能によって自然に排除されますが、一部の人ではウイルスが長期間体内に残り、がん化する可能性があります。
感染リスクを高める要因として、以下のようなものが挙げられます。

  • 性交渉の経験が早い:若い年齢で初めての性交渉を持つと、HPV感染のリスクが高まる。
  • 複数の性的パートナー:パートナーが多いほど感染リスクが上がる。
  • 喫煙:タバコに含まれる有害物質が免疫機能を低下させ、感染の持続やがん化を促す。
  • 免疫力の低下:ストレスや病気などによって免疫力が低下していると、HPV感染が持続しやすい。

子宮頸がんの症状

初期症状

子宮頸がんの初期には自覚症状がほとんどありません。そのため、検診を受けなければ気づかないことが多いです。ただし、以下のような症状が現れることがあります。

  • 生理以外の不正出血
  • 性交時の出血や痛み
  • おりものの異常(量の増加、血が混じる、悪臭がある)

進行期の症状

がんが進行すると、次のような症状が現れることがあります。

  • 下腹部の痛みや違和感
  • 腰痛
  • 排尿・排便の異常(頻尿、血尿、便秘など)
  • 足のむくみ(リンパの流れが悪くなるため)

これらの症状がある場合は、できるだけ早く婦人科を受診することが重要です。

 子宮頸がんの診断方法

細胞診

子宮頸がんの検診で最も一般的な方法です。子宮頸部の細胞を綿棒などで採取し、異常がないか顕微鏡で調べます。市民検診の子宮頸がん検診はこの検査になります。

ハイリスクHPV検査

HPVの顕微鏡画像
HPVの顕微鏡画像

HPVの感染の有無を調べる検査で、特に高リスク型HPVが検出された場合は、がんのリスクが高まるため注意が必要です。


コルポスコピー検査(拡大鏡検査)

コルポスコピー(拡大鏡)
コルポスコピー(拡大鏡)

細胞診で異常が見つかった場合、より詳しく調べるために行われる検査です。子宮頸部を拡大鏡で観察し、異常な部分を特定します。


病理組織検査

疑わしい部分の組織を採取し、より詳しくがん細胞の有無を調べる検査です。

子宮頸がんの治療法

子宮頸がんの治療法には、がんの進行度に応じて以下の方法があります。
(以下全てみすずレディースクリニックで完璧にできます)

手術療法

  • 円錐切除術:初期段階で、子宮頸部の一部のみを切除する手術。
  • 子宮全摘術:進行した場合に、子宮を全て取り除く手術。

放射線療法

放射線を使ってがん細胞を破壊する治療法です。

化学療法(抗がん剤)

抗がん剤を用いてがん細胞を攻撃する方法で、放射線療法と併用することが多いです。

子宮頸がんの予防法

一次予防策:HPVワクチン接種

HPVワクチン
HPVワクチン

HPVワクチンを接種することで、高リスク型HPVへの感染を防ぎ、子宮頸がんの発症リスクを大幅に減らすことができます。


<ワクチン(シルガード9)一般的な摂取スケジュール>

ワクチン接種のスケジュール図

※1:1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。
※2・3:2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上(※2)、3回目は2回目から3か月以上(※3)あけます。

二次予防策:定期的な子宮頸がん検診

ワクチンを接種しても完全に予防できるわけではないため、定期的な検診が重要です。

まとめ

子宮頸がんは、定期的な検診とHPVワクチン接種によって予防できる病気です。正しい知識を持ち、健康を守るために積極的に対策を取りましょう。